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耕畜連携とボカシ肥生産

大宇宙と小宇宙の狭間で 夜に空をみあげると星がきらめき大宇宙の存在を認識します。

が、土の下の宇宙を想起する方は稀。 地球上の総ての生物は、大宇宙と小宇宙の狭間で活かされてます。 ここで云う小宇宙は、土中をさします。 ミクロの世界であり、顕微鏡でしか観られない世界です。


手のひらいっぱいの土には、数十億とも数百億とも云われる生命が棲息しています。一括して微生物と呼ぶ生命体です。人体にも、無数の菌類が棲息し、大腸、小腸に棲息する菌類は、50兆とも100兆とも云われます。 同様に、土壌も多くの菌群が存在しています。 善玉菌とか悪玉菌とか日和見菌とかの俗称もありますね。 上記の一枚の画像は、1000倍の顕微鏡で覗いたいわゆるフカフカの土壌の様子です。黒いのは土の細粒。他は過半が菌群です。 昔の人は、田の神様とか土の神様とか呼び、正月明けには幣束を立てていた。馴染みの深い行事でいえば、どんど焼き(左義長)もその一つかと。 顕微鏡の無い時代。先人は、微生物が植物と密接な関係があることを知っていたものかと。それを神様と呼び各種の行事を今に伝えている。 冬に里山から落ち葉を集め、育苗の床をつくり、残りは厩肥と共に醗酵させ、田畑へと還元してきた。


13年前に栃木県内で見掛けた貴重な光景。重労働です。同じく栃木のどんど焼き(高道祖地区では続けられてるようですね)

残念なことに、小宇宙の存在を意識する農家さんは過小になってしまった。 興味の先は、農機具であったり、取れ高であったり、米の価格であったり・・・。

耕畜連携とボカシ化 この町には、全国でも珍しい食品残さの資源化施設がある。 一方で養豚業が盛んで肉牛の肥育、養鶏場も点在する。 資源化施設、畜産施設の有機物は、過半が市外に搬出されていることを帰郷後に知った。 市内は水田面積が多く、畑作は30%程度に過ぎない。 その畑地も過半は、隣接した大規模野菜農家が耕作を受託している。 そんなことも背景にあろうが、地域の言葉で云う“あったろもん”’(もったいない)と強く感じた。 行政当局、畜産農家、資源化施設の三者で『地域内有機資源の循環協定』を二年前に締結している。

協定なんぞは、初めの一歩に過ぎず、実務を誰がやるか? 体験しないとわからんであろうと(体験してもわからん皆さんが過半だが)呼びかけて疑似ボカシを生産するイベントを開催した。 枯竹を事前に数十本燃やし、灰になる前に炭を確保した。 養豚農家と資源化施設からそれぞれ二㌧ずつ一次発酵物を搬入していただいて、不足分の炭はホームセンターから調達。 そこへ、カルシューム、三種類の酵素。予め増殖させた土着菌を混用し、袋詰だけをイベントにした。 それがきっかけになる協定締結になった。

土作り拠点の整備 来年早々に農場を開設予定で準備を重ねて来たが、まずは土作りの拠点を設置しないといけない。 農場の一角に拠点施設を設置し、主にボカシ肥と一部は醗酵飼料の生産を開始することにしている。 NPK+カルシュームが肥料の三要素とか四要素とか云われている。 市販の化成肥料は無機物だが、これを有用にしているのは土中の微生物群であることを認識されている皆さんは少ない。 また、畑と水田では使用量も内容も別途であることを認識されてる皆さんも少ない。 どれほどの時間を要するか不明だが、ボカシ肥生産をコアにした土作りの優位性、有用性を訴えていきたい。 むろん、技術も公開し、生産したボカシ肥は近隣の希望者に分けることも考えている。 むろん、土壌の顕微鏡分析、植体の分析も併せて行なうことになる。

循環農業の町 時代はSDGs一色。CO2削減一色に染まりつつある。 背を向けるのは簡単だが、沿うてみるのも一興。 結果として、循環農業の優位性を既存の農家や周辺の農家に伝われば良い。 すでに『畑作公社』のメンバーが新設した加温ハウスで実証を開始している。町全体が循環農業の町へと変貌すれば、、、、。と願っている。

土の金山と土神 有機物を集積し、加工する施設をKinzanと呼んでいる。 土を改良し、農産物から食へと変貌させる文字通り金山にしなければと。 土中の生命体は併せて神様でもあるので、製品は『土神』とした。



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